【土用の丑の日】値上がりで代替品に注目 見た目・味・作り方もほぼウナギ 福岡
24日は「土用の丑の日」。ウナギをめぐる丑の日商戦も熱を帯びています。ウナギの価格が上がり続けるなか、意外なものをうなぎの代わりの商品にする動きも広がっています。
■阿部まみフィールドキャスター
「うだるような暑さのなか、ウナギを求めて店内は多くの人でにぎわっています。」
香ばしく焼き上げ、熟成したタレで仕上げるウナギは、暑い夏のスタミナ食です。
福岡市中央区のうな重の専門店は、職人の代わりにウナギをわずか5分で焼き上げる装置を導入し、人件費を抑えることで、お手頃な価格でウナギを提供しています。
■訪れた人
「ウナギ食べて、元気いっぱいに夏バテしないように乗り切っていきたい。」
外国からの観光客の姿も多く見られました。
■韓国から訪れた人
「うめー。韓国より日本がおいしい。」
24日は一日で普段の3倍近い550食ほどの売れ行きを見込んでいました。
■鰻の成瀬 福岡渡辺通店・日高涼太 店長
「海外の方も増えてきているし、この猛暑で需要が高まっているのでは。」
総務省の調査によりますと、福岡県内の「国産ウナギのかば焼き」の価格は、右肩上がりが続いています。20年前は100グラムあたり578円でしたが、去年は1334円と、2倍以上の値上がりです。
値上がりは外国産のウナギでも。
■阿部フィールドキャスター
「今こちらでは、土用の丑の日を前に、九州各地にウナギが発送されていきます。」
新宮町にある問屋では、台湾産を中心に年間およそ200トンのウナギを仕入れています。
■福岡淡水・堺徳昭 社長
「2週間前に、200円くらい上がると覚悟していた。200円だと思っていたのが500円値上がりに。」
台湾産のウナギの仕入れ値は、去年と比べ1キロあたり900円値上がりし、4400円になっています。国産のウナギとほぼ変わらない価格です。
■堺社長
「高いです。下げられないでしょ、円安で。それで困る。」
ことしの価格上昇の背景には、ウナギの稚魚の不漁に加え、円安による物流コストの上昇があるといいます。
ウナギが庶民にとって高級食材となりつつあるなか、注目されているのがウナギの代替品です。
ウナギのかば焼きにそっくりな商品、その名も「ほぼうなぎ」です。
■阿部フィールドキャスター
「鼻に抜けるかば焼きの香ばしい香りがします。ふわっふわです。デコボコとした身の質感、そして味は完全にウナギです。」
見た目も味も一見ウナギですが、実は、かまぼこでできています。開発したのは兵庫県に本社を置く、練り製品のメーカーです。
■カネテツデリカフーズ マーケティング部・山本莉奈さん
「(Q.見た目も味もほぼウナギですよね?)味や見た目だけではなく、作り方もほぼウナギと言えるかなと。」
「ほぼうなぎ」は3度タレ焼きすることで本物のような仕上がりにし、さらに、滋養強壮に良いとされる山芋を練り込みました。
毎年、夏限定で販売し、完売する人気商品のため、ことしは去年より3倍多く生産しています。
■山本さん
「本物のウナギの価格も高騰していたり、夏の土用の丑の日にウナギを食べるという食文化も衰退したりしている。『ほぼうなぎ』でウナギを守ることができれば。」
夏の気温もウナギ上りです。ウナギで夏バテに備えてみてはいかがでしょうか。