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“値上げ”に“人員削減”も「最低賃金アップ」にどう対応?苦悩する中小店舗 山梨県

2024年9月5日 13:08
“値上げ”に“人員削減”も「最低賃金アップ」にどう対応?苦悩する中小店舗 山梨県

 10月から最低賃金の金額が改定され、県内でも50円引き上げられ時給で988円となります。賃金が上がることは労働者にとってはうれしいことですが、規模の小さい事業者にとっては死活問題でもあります。対応に悩む経営の現場を取材しました。

 甲府市にあるラーメン店「初志貫徹」です。連日、行列のできる人気店ですが、9月から値上げに踏み切りました。

「麺食堂 初志貫徹」 斉藤憲人 店長
「コロナ禍からの原材料の高騰だったり最低賃金の改定、今回は結構大きな金額だったので。今回はコストがかかってきたので、やむを得ず(値上げ)という意味合いが強い」

 初志貫徹ではこれまでも材料費の高騰に合わせて値上げを行ってきましたが、人件費が要因となる値上げは初めて。ほかの事業者も賃上げする中、従業員を確保し続けるためには「給料アップ」が必要だといいます。

「麺食堂 初志貫徹」 斉藤憲人 店長
「できるだけ長く働いてもらって、初期の(従業員の)教育費を削っていかなければならない」

 一方、美容業界でも経営者が頭を抱えています。甲府市周辺に店舗を展開する美容室「MYA」です。

 美容業界でも消耗品や光熱費などが高騰している中、こちらの店でも人件費の上昇は厳しい問題です。業界内には人件費削減のため、シャンプーなどを担当するアシスタントの採用を減らす傾向がみられるといいます。

「MYA」佐々木正史 社長
「(アシスタントを減らし)スタイリストだけに変えていったりしている店が結構多く、流れがこの方向に行っているとよく聞く。(その分の)還元をスタイリストにしていくことで、給料を上げる業界の流れはある」

 MYAでは当面、現状の人員で営業を続ける方針ですが、今後の状況によっては料金の値上げや営業時間の短縮による実質的な賃上げを検討するとしています。ただ、最低賃金の引き上げで免許はあるものの、現在は働いていない元美容師の再就職などが進み、業界全体の人手不足解消には良い効果があるのではないかとしています。

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