プーチン大統領との“伝書バト“? ベラルーシ大統領が“中国”習主席と会うワケ…注目点は
ベラルーシのルカシェンコ大統領が28日夜、中国に到着しました。滞在中、習近平国家主席と会談するとしています。ルカシェンコ大統領は17日に同盟関係にあるロシアのプーチン大統領とも会談していて、今回、習主席と何を話すのかが注目されています。
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有働由美子キャスター
「ロシアのプーチン大統領に寄り添い続けるベラルーシのルカシェンコ大統領が28日夜、中国に到着したとの情報が入ってきました。習近平国家主席とも会談するといいます。ウクライナで激しい戦闘が続くさなかに何を話しに行くのかが気になります」
小野高弘・日本テレビ解説委員
「『この人は“伝書バト”です』と言うのが、ロシア政治に慶応義塾大学の廣瀬陽子教授です。ルカシェンコ大統領は、ついこの前の17日、ロシアのプーチン大統領に『来てください』と呼ばれて会いに行っています。そして今回は習主席に呼ばれて会いに行く…そんな“伝書バト”だ、というわけなんです」
有働キャスター
「“伝書バト”だとすると、何を伝えるのですか?」
小野委員
「今、こんな話があります。『中国からロシアにドローンや弾薬などの軍事支援が検討されている(ドイツメディアなど)」 『中国からベラルーシを経由して、ひそかにロシアへ兵器が供与される可能性がある(米・政策研究機関)』」
「なので、廣瀬教授は例えばの話として、『ルカシェンコ大統領はプーチン大統領が求めるもの、欲しているものを聞いて、習主席に伝えることもあり得るでしょう』『アメリカの監視もあってリモートだと話しづらい、どこでどう漏れるか分からないということで、ルカシェンコ大統領が便利な“伝書バト”になっている。首脳同士が直接話すことで、話がスムーズになるのかもしれない』と話しています」
有働キャスター
「ルカシェンコ大統領は、なぜこのように動き回っているのでしょうか?」
小野委員
「ルカシェンコ大統領にもメリットはあるんです。ベラルーシも欧米から経済制裁されて、打撃を受けています。中国としっかり結びついておけば、さらなる経済協力が期待できるわけです。欧米からこれ以上、にらまれるのは嫌で、軍事侵攻に直接の参加はしたくないけれど、ベラルーシとロシア、ベラルーシと中国といった三角関係を作っておけば、プーチン大統領にも『私たちは同盟ですよね』とアピールができる…というわけなのです」
有働キャスター
「いずれにしても、中国の存在が結局、大きいのですが、中国の対応について落合さんはどこに注目しますか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「台湾などのアジア情勢について、中国がこれに関連して何か行動を起こすかというのが、すごくキーだと思うんですけれど。そういったことが起こるか起こらないかも、例えばアメリカとの関係がいい形で維持できれば、ロシアへの支援の抑止力にもつながるということじゃないですか。なので、この場合はアメリカの意思決定に非常に今、注目しています」
有働キャスター
「これは日本の近い将来にも大きく影響する話ですので、中国に軍事支援を思いとどまらせるための外交、これをあきらめないでほしいです」
(2月28日『news zero』より)