トランプ氏「重大発表」“焦りと脅し”が背景か 共和幹部説得の舞台裏
アメリカ・バイデン政権の今後を左右する「中間選挙」の投票が、日本時間の8日夜、始まりました。バージニア州の投票所から矢岡亮一郎記者の報告です。
現地時間午前9時を過ぎて、徐々に人も増えてきました。有権者に話を聞くと、トランプ氏の重大発表発言、大統領選に出馬するかどうかへの関心は非常に高いです。ただ、共和党支持者からは、「もう混乱は望んでない。別の候補者にも出てきてほしい」という声もありました。
一方、中間選挙の直前の情勢は、野党・共和党が議会下院の多数派を奪還する勢い、上院は接戦となっています。
――有働由美子キャスター:トランプ氏が来週、「重大発表」すると、この発言は情勢に影響するのでしょうか。
共和党内では、「影響があるとすればマイナス」とみています。有力紙「ワシントンポスト」は、トランプ氏が最後の演説のタイミングで、出馬表明までやる構えを一時見せて、「共和党幹部が思いとどまるよう説得した」と伝えています。「反トランプの投票行動を促してしまう」とかなり懸念を強めていたといいます。
一方で、トランプ氏が自身に次ぐ人気ナンバー2のフロリダ州・デサンティス知事の集会を見て、「いらだちを募らせている」との側近の話も伝えています。いち早く自分が出馬表明して抑え込みたい。そんな「焦りと脅し」が背景にあるようです。
結局、表明しませんでしたが、事実上、出馬表明したような受け止めもされていて、接戦の上院の結果にどう影響してくるか、注目されます。
――落合陽一氏:このインフレをバイデン大統領が引き起こしているというふうに市民は感じていると思うので、今回は共和党が意外と票を伸ばすのではと僕は思っているんですが…大統領制のある国の「ねじれ国会」ってどういうことが起きるんでしょう。例えば、立法が制限されたり、速度が遅くなるなど影響が出てくるんでしょうか。
重要法案が通りにくくなることもありますが、注目は「中国に関する特別調査委員会」の設置で、議会はバイデン政権に、中国にさらに強硬に出るよう求める見通しです。ワシントンの外交筋は、「米中関係は一層緊張するだろう」と話しています。
一方で、一部で声があがっていたウクライナ支援の縮小は、すぐに動きはなさそうです。