スーダンで準軍事組織が南東部の村を襲撃…少なくとも85人死亡
内戦が続く北アフリカのスーダンで15日、国軍と対立する準軍事組織が南東部の村を襲撃し、少なくとも85人が死亡しました。
AP通信によりますと、スーダン南東部・センナール州の村で15日、準軍事組織「即応支援部隊」=RSFによる襲撃がありました。当局の情報などによると、女性や子どもを含む少なくとも85人が死亡し、150人以上が負傷したということです。
襲撃にはRSFの数百人の戦闘員らが参加し、当初、女性や少女の誘拐や暴行を狙ったものの抵抗されたため、武器を持たない住民たちに向けて無差別に発砲したほか、略奪や放火などもおこなったということです。
スーダンは去年4月から1年以上にわたり国軍とRSFによる内戦状態に陥っていて、国際人権団体などによりますと、これまでに15万人が死亡、1070万人以上が国内外に避難しています。
また、およそ2600万人が深刻な飢餓に陥っているとしているほか、RSFによる性暴力被害が深刻化していると指摘されています。さらに洪水による浸水で難民キャンプの衛生環境も悪化していて、ロイター通信によりますと、WHO=世界保健機関は16日、コレラへの感染で300人以上が死亡したと発表しました。
ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻の陰で国際的な関心が高まらず、「忘れられた紛争」などと呼ばれる一方で、暴力の連鎖は止まらない状況が続いています。
こうした中、スイスのジュネーブで14日から、アメリカなどの仲介でスーダン内戦の和平に向けた協議が始まっていますが、国軍側の欠席などにより合意のめどは立っていません。