深刻な人道危機に陥っているパレスチナ自治区ガザ地区に、海から人道支援物資を届けるための桟橋が建設されました。数日以内に支援物資が運び込まれる見込みです。

アメリカの国防総省は16日、ガザ地区に海から人道支援物資を運び入れるための桟橋を建設したと明らかにしました。地中海の島国キプロスに集められた支援物資が船で輸送され、映像では、海岸に建設された桟橋に到着し始めています。支援物資は数日以内に、ガザ地区の各地に運び込まれる見込みです。

ガザ地区で多くの住民が飢えや病気などで危機的な状態に置かれるなか、南部ラファに9日、新たな野外病院が開設されました。外科や産婦人科、小児科などがあり、一日あたり200人を診察することができます。ガザの赤十字国際委員会で広報をつとめる男性は、 医療が機能不全に陥っていると訴えました。

赤十字国際委員会　ヒシャム・マンナさん
「人々は汚水や廃水、大量のゴミで覆われた道路や歩道にテントを張って生活をしていて、これが公衆衛生上のリスクとなり伝染病や悪性の病気を蔓延させています。ガザの医療システムは崩壊しています」

また、死者のおよそ7割が女性や子どもだと指摘し、多くの人が、がれきの下敷きになっているとして、被害の拡大に懸念を示しました。