「ストーンウォールの反乱」当事者 性的マイノリティー権利制限に懸念
55年前、アメリカで性的マイノリティーの権利運動の象徴となった「ストーンウォールの反乱」。その当事者は、再び権利を抑え込む動きが広がりつつあると懸念を抱いています。
パートナーとともに歩くのは、55年前の「ストーンウォールの反乱」の当事者、マーク・シーガルさん。28日、記念館の開所式に参加しました。
マークさん「この55年間、私たちのコミュニティーは、1969年には考えられなかった権利のために戦ってきました」
性的マイノリティーへの取り締まりが厳しかった時代の1969年6月28日、ゲイバー「ストーンウォール・イン」に警察が踏み込み、客らに暴力を振るいました。
当時18歳だったマークさん。このバーは特別な場所だったといいます。
マークさん「自分らしく過ごすことができる場所でした。好きな人と一緒に踊ったり、キスをしたり、抱き合ったり。警察が突然、勢いよく入ってきて、バーを破壊して、私たちにボトルを投げつけたりしたのです」
マークさんたちは警察に抵抗して、暴動に発展。この夜の出来事は、今も続くLGBTQの権利運動の象徴となりました。
マークさん「私たちは社会で『可視化』されたかったのです。隠れて生きることは、もうしないと決めたのです。私が得ることのできた愛と安心感を、社会の誰もが享受できるべきです。同性婚が認められたことが、私の人生で最も重要なことでした」
しかし、アメリカでは近年「反LGBTQ法」の成立が急増。性的マイノリティーの権利を制限する動きが再び広がりつつある中、11月の大統領選の行方が気がかりだといいます。
マークさん「(選挙結果が)どうなるかは分かりませんが、希望は持ち続けています。我々は団結して、より強くなるでしょう」