日本製の中古“軽トラ” なぜアメリカで人気拡大? テーマパークで活躍 一般市民も愛用
アメリカで、中古の“軽トラ”の人気が拡大しています。ニューヨーク州のテーマパークでは運搬に使われているほか、市民の間でも利用者が増えているといいます。軽トラ愛用者と輸入販売店を取材しました。
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アメリカ・ニューヨーク州にあるレゴのテーマパーク「レゴランド・ニューヨーク・リゾート」は、夏休み中とあって多くの人でにぎわっています。実は今、このテーマパークで日本の“あるもの”が大活躍しています。
業務用の駐車場にずらーっと止められた車をよく見てみると、「農協」と書かれています。これは…日本製の軽トラック! 十数台がずらりと並べられています。レゴブロックでつくられた人形や、植木などの運搬に使われています。
レゴランド施設責任者 ジェイムズ・サットンさん
「気に入ってるから(“軽トラ”を)増やしてるんだよ。みんな運転を楽しんでる」
アメリカで、中古の“軽トラ”の人気が拡大しているというのです。
ある車体には、日本の所有者を示すラベルが貼り付けられていました。そのラベルにのっていた日本の中古車販売などを行う会社「大島車輌」に、レゴランドで撮影した画像を見てもらいました。
大島車輌 大嶌慎弥代表
「そうですね。確かに弊社のステッカーが貼ってありますね。すごいですね。日本だともう廃車に近いものが、海外だとまだまだ人気がある」
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アメリカ市民の間でも利用者が増えています。丸太を次々と“軽トラ”の荷台に詰め込んでいくのは、 ジョン・ラビノウィッツさん(37)。約1年半前に、日本製の“軽トラ”を購入したといいます。
アメリカの自然豊かな道を走る“軽トラ”ですが、日本式の右ハンドルです。その走る姿を見ると、まるで日本のような風景です。なぜ、アメリカで人気なのでしょうか?
ジョン・ラビノウィッツさん
「素晴らしいよ。小さくて小回りがきくから、庭のどこにでも行ける」
アメリカ製の一般的な荷台つきのトラックと比べると、1.5倍ほどの長さの違いが。そのため日本の“軽トラ”は小回りがきき、便利だといいます。
ジョンさんが“軽トラ”を購入した輸入販売店「HVNYインポーツ」(アメリカ・ニューヨーク州)を取材すると、中古車が人気となっている“ある理由”が見えてきました。
HVNYインポーツ トッド・ガットさん
「特に90年代などの古いものは、非常に良くつくられているからです。燃費も良いですし、修理も簡単で、総じて安いんです」
アメリカでは製造から25年たった車は、排ガスの規制など、輸入の際の基準が緩くなるといいます。さらに、こちらの店では価格も日本円でおよそ90万円から140万円と、アメリカ製の中古車に比べ安く購入が可能。そのため、90年代の“軽トラ”が人気に。多い時では月に、20台以上が売れることもあるということです。