ラファの人道危機「もう限界点を超えている」UNRWA保健局長
戦闘が続くガザ地区最南部ラファで活動している国連の支援機関の保健局長がNNNの取材に応じ人道危機の状況について「もう限界点を超えている」と訴えました。
UNRWA・清田明宏保険局長
「正直言って、もう限界点は超えていると思います。「ある40代の男性は、『私の体の中は全部壊れている』とか、『明日のことは考えられない、今日のことしか考えられない』とかですね。本当にもう、心が壊れているという印象がものすごく強かったですね」
先週からラファに入ったUNRWAの清田保健局長は現地ではすべての物資が不足しトイレは2千人に1つだけ、飲み水も1日あたり1人500ミリリットルしかないと話しています。栄養失調の子どもが1割を占め、汚染された水でA型肝炎が流行、医療品やこどものオムツ、女性の生理用品なども不足しているということです。
清田明宏保険局長
「外から見えない、人間の内面が壊されてるというのが、一番の今回のショック。ここまで人間の尊厳、人間が生きる希望、人間が明日に向かって考える力っていうのを奪っていいのかっていうのをものすごく感じました」
「うちのクリニックもカウンセラーがいて、でもそのカウンセラー自体に話を聞くと『実は私もカウンセリングが必要なんだ』と。うちで働いている職員全員も国内避難民なんですよ」
また、イスラエルはラファでも地上作戦を行う構えを崩していません。
清田明宏保険局長
「こちらの人は『もう考えたくない。それを考えると夜も眠れない』って言ってました」「本当に侵攻されると、想像を絶するようなことが起こるんじゃないかな…とていう不安はあります」
清田さんは一刻も早い戦闘休止と支援の強化が必要だと訴えました。