台湾総統に頼清徳氏が就任 中国との間で緊張高まる中
台湾では20日、与党・民進党の頼清徳氏が総統に就任しました。中国との間で緊張が高まる中、就任演説が行われる会場から中継です。
台湾総統府前の会場で、就任演説が行われる予定です。
頼清徳総統と蔡英文前総統が並んで姿を現すと、会場からは大きな歓声があがりました。
頼清徳総統は現在、建物内で内閣の任命などの手続きをしているとみられます。
日本時間の午前10時から総統府内で始まった就任式では、頼総統が宣誓を行いました。
頼清徳総統「憲法に従って職務に尽くすことを台湾の人々に宣誓します」
与党・民進党の頼総統は、中国との関係について蔡英文前総統の路線を継承し、「現状維持」を掲げて当選しました。
しかし、議会にあたる立法院では民進党は過半数の議席を維持できず、政権と議会がねじれ状態になっています。
先週には、立法院の権限を強化する法案について、成立を目指す野党が採決を急ぎ、阻止しようとした民進党と衝突したため、けが人が出るなど与野党の対立が鮮明になっています。
――今後、中国との関係はどのようになっていくのでしょうか。
頼総統は、中国と対等な立場で対話する姿勢を打ち出しています。
就任演説でも「卑屈にならず、おごることもなく、現状を維持する」との立場を強調するとみられます。
一方の中国は、頼総統を「台湾独立派」とみて敵視していて対話に応じない姿勢です。
中国が、台湾の議会の混乱などを利用し、政権を揺さぶる世論工作を行う可能性もあり、中台関係の安定につながるかは不透明です。