かつて“逆風”のチャールズ新国王・カミラ王妃 エリザベス女王は最後まで“継承”に心を砕き
エリザベス女王の死去を受け、王位を継いだチャールズ新国王には、かつては逆風も吹いていました。原因の一つと言われるのはカミラ王妃の存在です。一方でエリザベス女王は、円滑な王位継承に向け最後まで心を砕いていました。
◇
“イギリスの母”と慕われたエリザベス女王から王位を継いだチャールズ新国王は現在、73歳です。環境問題に熱心で、去年には気候変動問題を話し合う国連の会議「COP26」で演説しました。さらには、あるこだわりも…。
チャールズ新国王の愛車は「アストンマーティン」です。今年7月に開催されたスポーツ競技会の開会式には、助手席にカミラ王妃を乗せ登場していました。アストンマーティンのホームページによると、「チーズとワインを燃料とするアストンマーティン」だといい、バイオ燃料で走るように改造されたものだということです。
◇
そのチャールズ新国王に、かつては逆風も吹いていました。原因の1つと言われるのは、新国王即位を宣言する場にもいたカミラ王妃の存在です。
1981年、当時のチャールズ皇太子は、ダイアナ元妃と結婚しました。ところが、ダイアナ元妃が1995年にBBCのインタビューで明かしたのが――
ダイアナ元妃
「彼が別の女性を愛していたことは、早いうちにわかりました。女の直感です。私たちの結婚には、3人の人間が存在していました」
ダイアナ元妃との間にウィリアム王子とヘンリー王子が誕生した一方、結婚当初からチャールズ皇太子はカミラ夫人と不倫関係にあり、1996年にダイアナ元妃と離婚しました。翌年、ダイアナ元妃は交通事故で亡くなり、その後、2005年になって2人は再婚しました。
ただ、国民的な人気を誇ったダイアナ元妃とは対照的に周囲の風当たりは強く、カミラ夫人は国民感情を配慮して「皇太子妃」を名乗らず、チャールズ皇太子が持つ別の称号「コーンウォール公爵」から「コーンウォール公爵夫人」という肩書を使い続けていました。
そのような中、今年2月、エリザベス女王が即位70年を迎えるにあたり、異例の声明を発表しました。
エリザベス女王の声明文
「私の息子チャールズが国王になる時が来たら、彼と妻カミラに私に与えたものと同様のご支援を皆さんはくださることでしょう。私の心からのお願いは、時が来たらカミラが王妃として呼ばれることです」
エリザベス女王は、新国王の即位後は「カミラ王妃」との呼称を望むという異例の考えを示し、円滑な王位継承に向け最後まで心を砕いていました。
9日に公開され、即位後、初めてとなった国民向けのビデオメッセージで、チャールズ新国王は「愛するママへ。愛する亡きパパのもとへ最後の旅立ちをするあなたに、ただ『ありがとう』と言いたいです」と述べました。
(9月12日放送『news zero』より)