×

不動産バブル食い止める…温首相、全人代で

2010年3月5日 20:09

 急激な経済成長を続ける中国では、マンション価格の急上昇など、不動産バブルとも言える状況が続いている。5日から始まった国会にあたる全国人民代表大会(全人代)でも、この問題が取り上げられた。

 温家宝首相は、演説で「中国共産党の指導の下」という表現を繰り返し用いてこれまでの成果をアピールした。中国経済は世界的な金融危機でいったん失速したものの、去年の経済成長率は8.7%とV字回復を達成した。

 一方で、土地や住宅の価格は1年で9.5%も上昇するなど、不動産バブルと言えるほど深刻な問題となっている。温首相は「一部の都市でみられる住宅価格の急騰を断固食い止める」と述べたが、上海では広さ80平方メートルのマンションが平均年収の100倍以上するほどに値上がりしている。温首相の意気込みとは裏腹に、専門家の多くは「不動産価格が今後も上昇する」とみていて、成長のひずみを早く解消しない限り、市民の不満は募り続けることになる。