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NY外国為替市場で一時、1ドル=83円台

2010年8月25日 8:24

 円高が進む中、欧米の海外市場でも日本政府の無策ぶりに失望感が広がり、24日のアメリカ・ニューヨーク外国為替市場では15年ぶりに一時、1ドル=83円台をつけた。

 急速な円高に対し、野田財務相は日本時間24日、緊急記者会見し、「マーケットの動向に重大な関心を持ち、極めて注意深く見守りたい」と発言した。しかし、市場では「具体策がない」と見透かされ、ニューヨーク外国為替市場でも円買いに拍車がかかった。ニューヨーク外国為替市場の円相場で1ドル=83円台をつけたのは95年6月以来で、実に15年ぶりの水準となる。さらに、アメリカの7月の中古住宅販売件数が市場の予想を大きく下回ったことも、ドル売りを強めた。自国の輸出の追い風となるため、ドル安を容認したムードがあるアメリカでも、専門家は「日本は対策を取る機会を逃した」「十分な対策をしなければ1ドルが80円に向かう」などと話している。

 また、24日のニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、一時180ドル以上下落し、約1か月半ぶりに1万ドルを割り込んだ。終値は前日比133ドル96セント安い10040ドル45セントだった。ハイテク株中心のナスダック総合指数は、前日比35.87ポイント安い2123.76で取引を終えた。

 急激な円高への対応に手詰まり感のある日本政府に対し、欧米の市場には、「まずは金融緩和などの経済対策をきっちり進めることが大切だ」と指摘する声もある。