×

“北方領土”で物議醸す中、日ロ次官級会議

2010年10月9日 8:00

 ロシア・メドベージェフ大統領が近く北方領土を訪問すると発言して物議を醸している中、日ロ次官級協議が8日、ロシア・モスクワで開かれた。日本側から遺憾表明などはなく、沖縄・尖閣諸島問題に続き、外交の在り方があらためて問われることになりそうだ。

 日ロ次官級会議には、日本側から別所浩郎外務審議官、ロシア側からボロダフキン外務次官が出席した。日ロ関係をめぐっては、先月29日にメドベージェフ大統領が「近い将来、必ず北方領土を訪問する」と宣言、これに対して前原外相が「日ロ関係に重大な支障の生じる恐れがある」として、訪問見送りを申し入れている。

 ロシア大統領府筋は、11月に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する前後に訪問の可能性があると明らかにしており、今回の会議で日本側は訪問見送りを重ねて要求するものとみられていた。しかし、協議では具体的なやり取りは全くなかったということで、外交の在り方があらためて問われることになりそうだ。