リビア制裁決議、全会一致で採択 安保理
国連の安全保障理事会は26日、リビアに対する制裁決議案を全会一致で採択した。カダフィ政権に対する国際社会の包囲網が狭まっている。
制裁決議は、リビアにおける市民への武力行使を非難し、カダフィ大佐と親族、側近ら16人に対する渡航禁止や資産凍結を決めている。さらに、人道に対する罪を国際刑事裁判所(=ICC)で調査するよう求めている。また、リビアに対する武器の全面禁輸も盛り込まれている。
安保理では、時間をかければ、さらに人命が失われるとの危機感から休日返上で協議を行い、制裁決議は全会一致で、異例のスピード採択となった。
アメリカ・ライス国連大使「今夜、国際社会は一つの声にまとまりました。リビアに対する制裁決議は、リビアの(カダフィ)政権に自国民の殺害をやめさせるための法的拘束力のある手段です」
リビア・ダバシ国連大使「今日、安保理はカダフィ政権に明確で深いメッセージを送りました。このメッセージは、リビア国民を支持するものです」
国連・潘基文事務総長は、「必要なら、さらに強い行動が求められるだろう」と述べて、カダフィ政権の出方次第では追加制裁を促す意向を示した。
ロイター通信は、リビアの首都・トリポリの一部で反政府デモと衝突していた治安部隊が防衛を放棄したと報じた。リビア東部では、カダフィ政権を離脱した前閣僚らが、暫定政権の樹立に向けた動きを見せている。
また、アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアでは26日、カダフィ大佐の退陣を求めるデモが行われた。約300人が参加し、「リビアに自由を」と訴えた。この集会には、中国など他の国の民主化を訴える人々も合流した。