米大統領 武力行使承認の決議案を提出
アメリカのオバマ大統領は11日、イスラム過激派組織「イスラム国」への武力行使承認のための決議案を議会に提出した。これまで否定してきた地上部隊の投入を限定的に認める内容だという。
決議案はアメリカや有志連合の兵士の救出作戦や、特殊部隊による「イスラム国」幹部への軍事作戦などを念頭に、「限定的」ながら、小規模の地上部隊投入も認めている。オバマ大統領が一貫して否定してきた地上での作戦に道を開くもの。また、武力行使の地理的な制限も設けず、「イスラム国」が勢力を拡大した場合にはイラク、シリア以外でも軍事行動が可能となる。
一方で、決議の有効期限も3年とし、作戦の長期化に歯止めをかけたほか、長期にわたる攻撃的な地上戦闘部隊は認めないと強調している。
オバマ大統領「この決議案は、イラクとシリアで地上戦闘部隊を投入するものではない」
これまで「イスラム国」への攻撃は、2002年に可決されたイラクへの武力行使承認決議を根拠に行われてきたが、今回の案はそれに代わるもの。オバマ政権としては今後の審議や採決を通じ、「イスラム国」壊滅作戦に議会と一体となって取り組みたい狙いもある。