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マスク氏6.4兆円で買収完了…トランプ前大統領“復活”か “ツイッターはどう変わるのか”

2022年10月29日 16:08
マスク氏6.4兆円で買収完了…トランプ前大統領“復活”か “ツイッターはどう変わるのか”

イーロン・マスク氏によるツイッターの買収が27日までに完了した。

買収総額は440億ドル(6兆4000億円余り)。買収完了とともに、マスク氏はツイッターのアグラワルCEOら幹部を解雇、不適切な投稿やアカウントの削除を検討する協議会を作る考えも明らかにした。マスク氏のもとで2億3000万人以上の利用者を持つツイッターはどう変わっていくのか、これまでの発言から探る。

■ 買収撤回から一転 紆余曲折も当初合意の6.4兆円で完了


アメリカのソーシャルメディア大手ツイッターは起業家、イーロン・マスク氏による買収が完了したと28日までにニューヨーク証券取引所に届け出た。買収総額は440億ドル、日本円で6兆4000億円余り。この買収に伴い、ツイッターは11月8日に上場廃止となるという。

買収を巡っては、今年4月の買収の合意の後、マスク氏はツイッターが全ユーザーの5%未満とした偽アカウントなどの数を裏付ける情報の提供に十分に応じなかったと主張し、一方的に合意を撤回。それを受けたツイッターが買収の実行を求め裁判を起こしていた。

10月初旬、マスク氏は合意撤回を一転、買収を再提案した。アメリカメディアはマスク氏側の主張が法廷で認められない見通しが強まり、方針を転換したと伝えた。

■ 「金儲けのためではない」世界一の富豪がツイッター買ったワケ


“世界一の富豪”とされるマスク氏は27日、自身のツイッターに「広告主の皆さまへ」と題した書簡を投稿。買収の理由について「金儲けのために行ったわけではない。幅広い信条を議論できる共通のデジタル空間を持つことは文明の未来にとって重要で、人類のためにこれを達成したい」とした。

ソーシャルメディアに対する自身の考えとして「極右か極左に分かれ、交流するソーシャルメディアは社会を分断させる危険性が非常に高い。従来のソーシャルメディアの多くは、クリック数を執拗に追い求めるあまり、極論を煽ってきた。それこそがお金をもたらすと信じているからで、そうすることによって、対話の機会は失われた」などと指摘し、ツイッターを法律を順守しながら全ての人を受け入れるプラットフォームとするとした。

■ トランプ前大統領のアカウント 復活か


マスク氏がトランプ前大統領のアカウントを復活させるのか注目を集めている。

トランプ氏のアカウントを巡っては、2021年1月のアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件をうけ、「さらなる暴力を煽動する恐れがある」として停止されているが、マスク氏は5月、英フィナンシャル・タイムズのイベントで「永久追放は道徳に反し、愚かな判断だ」と発言。

トランプ氏の追放がTruth Socialの立ち上げにつながり、「米国の多くの意見をツイッターから疎外した」と指摘、さらに「多くの右派が参加するTruth Socialでトランプ氏の声はより大きくなっていくだろう」とし、トランプ氏のアカウントを復活させる考えを示していた。

今回の買収完了をうけ、トランプ氏は「ツイッターが左翼の狂信者の手から離れ嬉しく思う」とTruth Socialに投稿、買収を歓迎した。

■ “投稿削除”・“アカウント停止” マスク氏はどこまで緩めるか


買収に伴い、アメリカメディアによるとマスク氏はパラグ・アグラワルCEOらツイッター社幹部4人を解雇したという。

また、マスク氏は28日、不適切な投稿について広く多様的な視点から監視する協議会を設置する考えを明らかにした。

この協議会で投稿の削除やアカウントの停止についてどこまで緩めるかを検討するとみられ、設置される前に、停止されたアカウントの復活が行われることはないとしている。

「表現の自由」として、投稿への規制は減らすべきだと訴えてきたマスク氏のツイッター改革が始まった。

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