東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）の外相会議が１９日、インドネシア・バリ島で開かれた。加盟国の一部と中国が島の領有権をめぐって争う南シナ海問題について、問題解決のために中国にＡＳＥＡＮ側との協議に合意するよう迫る内容の共同声明を採択した。

　外相会議で採択された共同声明では、最近の南シナ海情勢に深刻な懸念を表明し、今後予定されるＡＳＥＡＮと中国との高官レベル協議で、南シナ海での行動の指針がまとまることへの期待を表した。指針は、ＡＳＥＡＮが策定を目指す、関係国間での法的拘束力のあるルールのベースとなるもので、中国に多国間での解決の枠組みに応じるよう迫るものといえる。

　一方の中国は、南シナ海の問題は当事者２国間で話し合うとするこれまでの姿勢を崩さないものとみられる。ＡＳＥＡＮが目指す指針策定に応じるかどうかは、まだ不透明な状況。