中国共産党序列４位の兪正声政治局常務委員は２９日、中国訪問中の自民党・野田毅議員らと会談し、南シナ海をめぐる問題で、日本が特定の立場をとらないようクギを刺した。

　野田議員の話によると、会談で兪氏は、南シナ海の問題について触れ、中国が進める大規模な埋め立てを日本が批判していることについて、「南シナ海の問題は、日本には関係がないはずだ」と指摘した。その上で「日本がどちらかの味方につくと、当事国の友好の妨げになる」と、特定の立場に立たないようクギを刺した。

　これに対し野田議員は、「周辺海域は日本にとっても貿易船が行き交う極めて大事な海上交通路の一部だ」として中国側に近隣諸国の理解を得る努力を促したという。

　一方、兪氏は、この夏に安倍首相が発表する戦後７０年談話を念頭に、アジア諸国の人々に痛切な反省とおわびを表明した「村山談話」を順守するよう求めた。