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同時多発テロから10年 NYで追悼式典

2011年9月12日 8:27

 アメリカ同時多発テロ事件から10年の節目を迎えた。ニューヨークでは11日、オバマ大統領らが出席し、追悼式典が行われた。

 かつて世界貿易センターのビルが立っていた場所には、同じ敷地の面積で追悼のための四角い池がつくられ、その周りには約3000人の犠牲者の名前が刻まれている。

 今年はオバマ大統領が就任後、式典に初めて参加し、航空機が激突した時間に合わせて黙とうが行われた。また、約3000人に上る犠牲者一人一人の名前が遺族の代表によって読み上げられた。当時、世界貿易センタービルで働いていて、犠牲となった杉山陽一さんの長男・太一さん(13)も遺族の代表に選ばれた。

 池の周りに刻まれた犠牲者の名前の前でたたずむ遺族が絶えず、刻印された名前を鉛筆でこすって紙に写し取る遺族の姿も見られた。

 しかし、10年たった今もテロへの脅威は消えていない。また、今年は事前にテロ計画の情報があったため、式典会場の周辺では、異例の厳戒態勢が敷かれた。同時多発テロから10年、深い悲しみに包まれながらも、テロとの戦いがまだまだ終わっていないことをあらためて感じさせられた式典となった。