タイ洪水 郊外住民が防水壁を壊す
洪水被害に襲われているタイで、首都・バンコクの中心部を守るための方策をめぐり、「犠牲になっている」と不満を募らせた郊外の住民が水をせき止める壁を壊し、浸水地域が拡大するおそれが出ている。
タイ政府は、南下を続ける洪水の進行を遅らせるため、バンコク北部に巨大な土のうによる長さ6キロの防水壁を作った。この効果とポンプによる排水で、中心部へ向かう水は勢いを弱め、繁華街から5キロの地点でほぼ停滞している。しかし、防水壁の近隣住民は「水がせき止められ浸水がひどくなった」と不満を募らせている。北から水をくい止める巨大土のうを住民らが壊し、防水壁には10メートルほどの隙間ができている。
政府は防水壁の開放を拒否していて、住民らは14日も抗議活動を続けるとしている。