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東アジアサミット「海の安全保障」が焦点に

2011年11月19日 19:21

 日本、アメリカ、中国に加え、太平洋を囲む18か国の首脳が一堂に会して地域情勢などを話し合う「東アジアサミット(=EAS)」がインドネシア・バリ島で開かれ、日本時間19日午後に終了した。中国の台頭を念頭に、アジア太平洋地域での海の安全保障の問題が焦点になったとみられる。

 今回の東アジアサミットには、初めてアメリカが参加した。南シナ海での権益をめぐって中国がASEAN(=東南アジア諸国連合)諸国との対立を深めている問題では、アジア太平洋地域最重視の戦略を打ち出したアメリカが「多国間の枠組み」での解決を主張する一方、中国は「当事国間での話し合い」を主張してアメリカの関与をけん制、両国の思惑はぶつかり合っている。

 こうした中、東アジアサミットに先立ち、予定にはなかったアメリカ・オバマ大統領と中国・温家宝首相との首脳会談が急きょ行われた。アメリカ側の説明によると、ここでも南シナ海の問題が話題になったということで、両国ともに、サミットを前に2国間会談を行うことで不測の緊張を避ける狙いがあったとみられる。

 一方、野田首相は、温首相と韓国・李明博大統領との3か国首脳会談に臨んだ。主なテーマは経済連携だった。日本の外務省によると、野田首相が日中韓3か国によるFTA(=自由貿易協定)の共同研究を加速して、早期の合意を目指すことを提案し、両首脳ともそれを確認したという。