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国連安保理、対シリア議長声明を採択

2012年3月22日 8:16

 反体制デモへの弾圧が続くシリアをめぐり、国連の安全保障理事会は21日、暴力停止に向けて調停役を務めるアナン前国連事務総長を支持する議長声明を全会一致で採択した。

 シリアではアサド政権による反体制派への武力弾圧が激化しており、これまでに8000人以上が死亡している。安保理はこれまで2回にわたってアサド政権を非難する決議案の採択を目指したが、いずれもアサド政権に近いロシアや中国の拒否権行使によって否決された。

 こうした事態を受け、安保理は21日、法的拘束力がない議長声明という形で、調停役を務めるアナン氏への支持を全会一致で採択した。声明は、アサド政権に対し、暴力停止に向けてアナン氏との交渉に臨むよう圧力をかけるもの。しかし、声明にはアサド政権に対する明確な非難を盛り込まなかった上に、反体制派へも武力を停止するよう求めており、ロシア側への配慮が色濃くにじんでいる。

 2度にわたる決議案の採択の失敗で機能不全に陥っているとの批判を浴びてきた安保理だが、今回は安保理として統一したメッセージを出すことを優先した形。