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シリア制裁決議案、否決 露中が拒否権発動

2012年7月20日 9:14

 内戦状態に陥ったシリアをめぐり、国連の安全保障理事会は19日、アサド政権に対する制裁決議案の採決を行ったが、ロシアと中国の反対で否決された。シリアに関する決議案が廃案になるのは3度目。

 首都・ダマスカスでは、今週に入って戦闘が激しくなり、19日には政府関連施設でも銃撃戦が起きたもよう。情勢悪化を受け、イギリスやアメリカなどは、アサド政権が10日以内に停戦に応じない場合は経済制裁を科すことなどを盛り込んだ決議案を安保理に提出し、19日に採決が行われた。

 しかし、アサド政権寄りの立場をとるロシアは、いかなる制裁にも反対するとの姿勢を崩さず、中国とともに拒否権を発動し、決議案は否決された。シリアに関する決議案にロシアと中国が拒否権を発動するのは3度目。

 アメリカ・ライス国連大使「今日、発動された拒否権によって、シリア情勢は引き続き悪化するだろう」

 ロシア・チュルキン国連大使「国際社会が対話による解決を目指していることを無視し、欧米の理事国は圧力や制裁にだけこだわっている」

 一刻も早い対応策が求められる状況においても「欧米対ロシア・中国」という対立を乗り越えられない安保理の限界が改めて浮き彫りになった。