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米メディア、攻めに転じたオバマ陣営を評価

2012年10月12日 19:10

 来月のアメリカ大統領選挙に向けた副大統領候補のテレビ討論が11日、ケンタッキー州で開かれ、共和党のホープ・ライアン下院議員(42)と民主党のベテラン・バイデン副大統領(69)が火花を散らした。先週の大統領候補討論会での守りの姿勢から一転して攻撃に転じた民主党・オバマ陣営について、アメリカメディアからは「大統領に欠けていた積極性を見せた」と評価する声がある一方で、「態度が傲慢」との批判も出ている。

 討論を引っ張ったのは若手のライアン氏ではなく、バイデン氏だった。バイデン氏は、共和党・ロムニー大統領候補の「所得税を払っていない47%の国民のことは心配しない」との失言を取り上げ、ロムニー氏の下では、高齢者や中間層が切り捨てられるなどと、時に感情をあらわにしながら強調した。

 バイデン氏「ロムニー氏は『自動車産業を破綻させてしまえ』と言った。『国民の47%は(納税)責任を果たしていない』と発言する人だから驚かないが。あなたたちは中間層を人質にとっているのだ!」

 一方、ライアン氏は、冷静な語り口でオバマ大統領の政策批判を繰り広げ、自分たちがアメリカを再生させると訴えた。

 ライアン氏「アメリカは誤った方向に進んでいる。経済はどんどん鈍っている。去年の成長率はおととしより悪くなっている」

 選挙まで1か月を切ったが、オバマ・ロムニー両氏の大接戦の行方はまだ見えない。