北朝鮮の金与正氏、韓国側のゴミ風船に対抗した宣伝放送「極めて危険」
北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏は、北朝鮮がゴミを下げた風船を飛ばしたことに対抗して韓国が宣伝放送を再開したことをめぐり、「極めて危険な状況の前奏曲だ」と指摘しました。
与正氏は9日夜、国営メディアを通じて談話を発表し、8日から9日にかけて北朝鮮から韓国に向けて飛ばしたゴミを下げた風船について、「1400あまりの気球で紙7.5トンを散布した」と明らかにしました。
また、与正氏は風船について、先週、韓国の脱北者団体が金総書記らを批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばしたことへの対抗措置だと明らかにし、「極めて低い段階の反射的な反応に過ぎない」と主張しています。
一方、韓国政府は北朝鮮がゴミを下げた風船を飛ばしたことに対抗し、軍事境界線付近で大音量で体制批判などを流すいわゆる「宣伝放送」を再開しました。これについて、与正氏は「極めて危険な状況の前奏曲だ」と指摘しています。また、「盗人たけだけしい態度で新たな危機環境をつくった」と韓国側を批判していました。
与正氏はさらに、体制批判のビラ散布と宣伝放送を並行して行えば、「新たな我々の対応を目撃することになる」と警告した上で、「紙を拾い集めなければならない困惑が韓国の日常になる」と主張し、追加でゴミを下げた風船を飛ばすことを示唆しています。