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政権側と反体制派の直接協議始まる

2014年1月25日 19:46

 シリアで内戦が始まって以来初めてとなるアサド政権と反体制派の直接協議が日本時間25日午後、スイスのジュネーブで始まった。

 反体制派によると、今回の直接協議は政権側と反体制派が冒頭に同席した後、すぐに別々の部屋に分かれ、その間を仲介役のブラヒミ国連特使が行き来する形で行われるという。これを完全に直接協議と言ってよいのか疑問も残るが、なぜここまで神経質になっているのかというと、双方が事情を抱えているためだ。

 内部に深刻な亀裂を抱える反体制派は、代表団に対して「政権と交渉する裏切り者」との不満が出ており、政権側と親しく協議をしたと見られれば、さらなる批判にさらされる可能性がある。

 また、反体制派との戦闘を「テロとの戦い」と宣伝している政権側も事情は同じだ。両者とも同席の場面を見られるのをなるべく避けようとしているようで、会談は完全にメディアをシャットアウトして行われているため、交渉は難航しそうだ。

 ただ、国連としてもなるべく双方が受け入れやすい点から協議を始める方針で、アサド大統領の処遇などは一時棚上げして、「一部地域を対象にした停戦」などの協議を提案する方針。

 ブラヒミ氏はまず数日間、協議を続けたい方針だが、今回の協議で何らかの合意がみられるかどうかが焦点。