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クリミア議会“露編入”決議採択 現地報告

2014年3月7日 17:48

 ウクライナ情勢で、ロシア軍が事実上、掌握している南部・クリミア半島をめぐっては、アメリカなどがロシア軍の早期撤退を求めるなど対立が深まっている。こうした中、クリミアの議会はロシアへの編入を求める決議を採択した。クリミアの中心都市・シンフェロポリから、山内康次記者が報告する。

 シンフェロポリの中心部では、数日前まで装甲車が走り、武装した兵士の姿が見られたということだが、今は普段通りの生活という印象。ただ、近くにあるウクライナ軍の施設は7日朝も銃を持った武装集団が包囲していた。この武装集団について、ロシア政府は「自警団だ」と主張しているが、メンバーの1人に話しかけると、「何も答えられない」と非常に流ちょうなロシア語で答えており、ロシアとの関係があることをうかがわせた。

 クリミアの議会では6日、ウクライナから分離独立し、ロシアへの編入を求める決議が採択された他、これに賛成するかを問う住民投票を16日に行うことを決めた。クリミアは住民の約6割がロシア系で、16日の住民投票ではロシア編入が決まるとの見方が大勢を占めている。

 ただ、この住民投票については、ウクライナのヤツェニュク首相が「違法なもので法的な根拠がない」と指摘。アメリカのオバマ大統領も「ウクライナの憲法と国際法に違反している」と批判していて、住民投票をめぐって、今後、ロシアと欧米諸国の対立がさらに深まる恐れが出ている。