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米国連大使、シリア空爆の正当性を強調

2014年9月24日 19:27

 イスラム過激派組織「イスラム国」の壊滅に向け、シリアへの空爆に踏み切ったアメリカは、23日の朝までに新たに2回の空爆を行った。

 アメリカ中央軍によると、23日朝までにシリア東部で軍用機による2回の空爆を新たに行い、「イスラム国」の軍用車両2台を破損させたという。今回のシリア空爆について、米国防総省のカービー報道官は「始まりにすぎない」と述べ、作戦が数年に及ぶ可能性を示唆した。

 オバマ大統領は日本時間24日朝、アメリカ・ニューヨークでサウジアラビアなど空爆に参加した中東5カ国の首脳らと急きょ会談し、今後も「有志連合」として結束して「イスラム国」にあたることを確認した。また、ロイター通信によると、アメリカのパワー国連大使は、潘基文事務総長に書簡を送り、「シリア政府にはこの脅威を取り除く力がない」「アメリカが自衛権を行使することが可能だ」と説明し、空爆の正当性を強調した。

 一方、安倍首相は今回の空爆について「事態の深刻化を食い止める措置として理解をしている」と述べるにとどめている。

 こうした中、気になる事件が起きている。オーストラリア・メルボルン郊外の警察署で23日夜、テロへの関与が疑われ事情を聞かれていた18歳の男が警官2人を刺し、男はその場で射殺された。男は先週、地元のショッピングセンターで「イスラム国」の旗を持っている姿が目撃されていて、警察が組織との関連を調べていた。また、地元メディアはこの男について、アフガニスタン系で過去にイスラム過激派組織に参加していたと伝えている。オーストラリアは、アメリカの空爆支援のためイラクへ兵士を派遣していて、「イスラム国」側は22日の声明で、オーストラリア人を「いかなる方法でも殺害せよ」と呼びかけていた。

 一方、「イスラム国」が13日に公開した映像に次の殺害対象として映されていたイギリス人男性、アラン・ヘニング氏の妻の元に、ヘニング氏が命乞いをする音声が送られて来たことが明らかになった。シリアへの空爆開始後、「イスラム国」は反応などを出していないが、人質の音声を家族に送りつけることでアメリカなどをけん制する狙いがあると見られる。