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中国 “南京事件”で初の国家主催追悼式典

2014年12月13日 18:01

 77年前の12月13日は、旧日本軍が多くの中国人を殺害したとされる「南京事件」が起きた日。中国・南京では、今年初めて国家行事として追悼式典が開かれ、習近平国家主席も出席した。

 国家行事に格上げされ初めて迎える13日の式典には、習近平主席をはじめ、約1万人が出席。南京事件の犠牲者への黙とうも行われた。そして演説した習主席はこう述べた。

 習主席「日中両国民は代々友好を保ち、歴史をかがみとして未来に向け、共に人類平和のために貢献しなければならない」

 また習主席は「少数の軍国主義者らが侵略戦争を起こしたからといってその民族を敵視してはならない」とも述べ、日本との関係改善に向けた前向きな発言もあった。

 一方で、「侵略戦争を顧みない誤った言動に対しては、断固反対する」として日本側の歴史認識をけん制している。

 式典の間、会場の外には、多くの市民が集まり、中には涙を見せる女性の姿もあった。

 南京市民「当時の日本人の侵略が我々にどれだけの苦難を与えたか、世界の人々に教えるべきだ」「国の恥を忘れてはいけないし、愛国心を持たなければならない」

 このところ日中関係改善に向けた動きが出始めたばかりだが、来年は、中国にとっては「抗日戦争勝利70年」の節目の年。習近平政権としては歴史認識問題などで国民の愛国心に訴え、求心力を高めていきたい狙いもあるとみられる。