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歴史的転換 米・キューバ国交交渉へ

2014年12月18日 11:19

 アメリカ政府は17日、1961年から断交状態にあるキューバとの国交正常化へ向けた交渉を開始すると発表した。

 オバマ大統領「この50年以上で最も重要な変革として、国益を促進できなかった時代遅れの手法を終わらせる」「代わりに、両国の国交正常化交渉を開始する」

 両国は去年6月から水面下の交渉を続けて合意に至り、16日には国交断絶から初めて、両国の首脳による電話会談も行われた。

 来月にはアメリカの代表団がキューバを訪れて国交正常化交渉を始め、数か月以内にも双方が大使館を設置し、外交関係を再開する方針。また、キューバへの渡航や送金の制限を緩和するなどの措置がとられる。オバマ大統領はさらに、ケリー国務長官に対し、「テロ支援国家」の指定解除を検討するよう指示した。

 キューバのカストロ国家評議会議長も17日、同時にテレビ演説し、交渉開始を歓迎しながら、経済制裁の早期解除などを求めた。

 一方アメリカ国内では、中間選挙で議会の多数を握った野党共和党の議員らが、「キューバは独裁国家だ」「アメリカが得るものはキューバの半分にすぎない」と強く反発。制裁解除に反対する構え。

 国交正常化にこぎつければ、オバマ大統領にとっての歴史的成果になる。反対勢力を押さえながらどのように交渉を進めるのか。大統領の手腕が問われることになる。