FIFA元副会長に12億円賄賂の疑い
FIFA(=国際サッカー連盟)の汚職事件で、2010年のワールドカップ開催地を選ぶ際に、開催国に決まった南アフリカ政府などがFIFAの元副会長に賄賂を支払った疑いがあることがわかった。
アメリカ司法省が公開した起訴状によると、起訴されているFIFAのジャック・ワーナー元副会長に対して、2010年のワールドカップ招致を目指していた国々が自分の国に投票してもらおうと金銭の提供を持ちかけた疑いがあることがわかった。
モロッコは100万ドル(1億2000万円)の支払いを提案したほか、開催国に決定した南アフリカ政府などが1000万ドル(約12億円)を支払った疑いがあることがわかった。12億円はワーナー元副会長が会長を務めていたサッカー連盟の口座などに振り込まれたという。
ワーナー元副会長は27日、トリニダード・トバゴの警察に出頭し逮捕されたが、アメリカメディアによると、「いかなる罪も犯していない」と無罪を主張しているという。
この事件をめぐっては、FIFAの副会長ら関係者9人が国際大会での放映権などをめぐり、企業から巨額の賄賂などをアメリカの金融機関経由で受け取っていたとして起訴されている。スイスの司法当局はこのうち7人を逮捕していて、ワーナー元副会長は8人目の逮捕者となる。
不正はこの24年間続き、FIFA幹部らが既に受け取ったり、今後、受け取る予定だった賄賂の額は185億円以上になるという。