FIFA汚職事件 会長選の行方は…?
世界に衝撃が走ったFIFA(=国際サッカー連盟)の汚職事件。2010年のワールドカップ招致を巡り、開催国の南アフリカ政府が日本円で約12億円を賄賂として支払った疑いがあることがわかった。
日本時間28日夕方、総会が行われるスイスに集まったFIFAの幹部ら。その表情は一様に硬いものだった。20年以上にわたっていた疑いが持たれているFIFAの幹部らの収賄。
会見したアメリカのリンチ司法長官は、2010年のワールドカップ南アフリカ大会でも不正があったと述べた。アフリカ大陸で初めてワールドカップ開催国に選ばれた南アフリカ。その決定に関しても“賄賂”の疑いがあったというのだ。
2010年の開催国候補だったモロッコと南アフリカから賄賂の提案があったという。モロッコは日本円にして1億2000万円の支払いを提案。一方、最終的に開催国に決定した南アフリカは12億円を支払った疑いがあるという。しかし、南アフリカ政府は会見で「そういった額(12億円)の記載は、帳簿にはない」と述べた。1983年から2011年までFIFAの副会長を務め、今回起訴されたジャック・ワーナー氏も無罪を主張しているという。
FIFAの理事を務めていたこともある日本サッカー協会の小倉純二名誉会長は、2002年の日韓ワールドカップに話題が及ぶと「帳簿がみんな見ようと思えば見られる状況になっているので、そういうこと(賄賂)にお金なんて使えることない」と話し、不正はなかったと強調した。
長年にわたったと指摘されるFIFAの金権体質。1998年から会長を務めるブラッター会長に批判が集中した。元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナ氏は、自身のフェイスブックにブラッター会長の写真を投稿し、「泥棒」という注釈も…。
日本時間28日午後10時過ぎ、会見を行ったUEFA(=ヨーロッパサッカー連盟)のプラティニ会長は「今日ブラッター会長に辞任を求めた。イメージが悪く、もう続けられないと」と話した。しかし、ブラッター会長は拒否したという。29日に行われる会長選で、ブラッター会長の対抗馬に投票するよう加盟国に求めたとも明かした。
5期目の再選は確実と言われていたブラッター会長。果たしてFIFAの会長選の行方はどうなるのか。