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FIFA会長自身の捜査に着手~米メディア

2015年6月3日 12:29
FIFA会長自身の捜査に着手~米メディア

 収賄事件に揺れるFIFA(=国際サッカー連盟)のブラッター会長が2日、辞任する考えを表明した。ブラッター氏は先月末に再選されたばかりだった。

 ブラッター氏は辞任表明に至った理由について、「会長職とFIFAとサッカーにささげてきた40年について熟慮した」などと説明した。

 FIFAをめぐっては、国際大会の放映権などに関連し、元副会長ら9人が企業から巨額の賄賂を受け取っていたなどとしてアメリカの司法当局に起訴されていた。ブラッター会長に対しては、その責任を問う声が上がっていたほか、会長自身の関与を疑う声も根強くあるが、会見では事件についての言及はなかった。

 先月末の会長選挙で5選を果たしてからわずか4日での辞任表明となったが、後任を選ぶ緊急理事会は早ければ今年12月に行われ、それまでは会長にとどまるという。

 ブラッター会長をめぐっては、複数のアメリカメディアが、会長自身の捜査に着手したなどと事件への関与について相次いで報じている。

 アメリカの新聞「ニューヨークタイムズ」は1日の電子版で、捜査当局者の話としてブラッター会長の側近バルク事務局長が2010年のワールドカップ開催地選考をめぐり1000万ドル、日本円にして約12億円の不正な送金に関わっていた疑いがあると報じた。イギリスの新聞は、この報道が今回の辞任表明の引き金の1つとなったと報じている。

 これに関連してFIFAは2日、「バルク事務局長ら幹部は関与していない」と否定するコメントを発表した。

 また、NBCテレビやロイター通信などは2日、当局者の話としてブラッター会長自身の捜査に着手したと相次ぎ報じている。

 一方、ブラッター会長の辞任表明について、アメリカの司法当局は「ノーコメント」としていて、捜査を進めるスイスの司法当局は「ブラッター氏は捜査対象になっていない。捜査への影響はまったくない」との声明を出した。