ASEAN、急きょ「最大限の自制」求める外相声明 台湾情勢緊迫で
台湾をめぐる情勢が緊迫する中、ASEAN(=東南アジア諸国連合)は4日、急きょ「最大限の自制」を求める外相声明を発表しました。
台湾をめぐっては、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に対して、中国が報復と位置づけ、台湾周辺で大規模な軍事演習を行うなど緊張が高まっています。
声明では、アメリカと中国の名指しは避けつつも、台湾をめぐる情勢について、「主要国間の紛争など、予測不可能な結果を招きかねない」と指摘しました。その上で、挑発的な行動を控え、最大限自制するよう求めました。
ただ、「ASEANは『一つの中国』政策を支持することを改めて表明する」とも明記し、中国への配慮をにじませました。
一方、ASEANの外相は3日、軍が実権を握るミャンマー情勢について協議しました。
各国からは、民主派の元議員らに死刑を執行するなど弾圧を強めるミャンマー軍に対し、批判が相次ぎました。
ミャンマー軍に融和的な姿勢を示してきたカンボジアのフン・セン首相も、「状況は以前よりも悪化している」と述べるなど、態度を硬化させていて、ASEANの会議からミャンマー軍を排除する動きが進む可能性もあります。