イラン核協議延長 現地は制裁解除に期待も
オーストリアで行われていたイランの核開発をめぐる欧米などとの協議は、先月30日、交渉期限を迎えたが最終合意には至らず、期限を7日まで延長することになった。イラン国内では、経済制裁の解除に向けた期待が高まっている。現地から天野英明記者が伝える。
期限とされてきた日を迎え、テヘラン中心部の広場では多くの市民らが集まり、核協議がイラン側に納得いく形で終わるよう訴えている。広場はイランの交渉団への支持を表明する国民の署名で埋め尽くされていた。最終合意の先に期待される、経済制裁の解除を見据えているためだ。
一見、ものであふれるテヘラン市内だが、外国製品の輸入は制限され、正規のルートで入ってこない。テヘラン市内の薬局を訪ねると、薬剤師は医薬品不足を訴え、できるだけ多くの患者に届くよう、手に入りにくい薬は小分けにして販売しているという。
イラン側は最終合意と同時に経済制裁を全面解除するよう求めている。欧米側はイランが合意事項を守っていると確認されてから制裁を停止する方針。両者の隔たりはいまだ大きいものの、“悲願”の制裁解除に向けたイラン国民の期待感は、かつてないほど高まっている。