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タイ、ウイグル族を中国に強制送還 批判も

2015年7月10日 2:53
タイ、ウイグル族を中国に強制送還 批判も

 タイ政府は、中国から不法入国していたウイグル族およそ100人を中国に強制送還したことを明らかにした。

 タイ政府の関係者によると、不法入国で拘束していたウイグル族およそ100人について、中国国籍であることが確認できたとして、8日、中国に強制送還したという。タイでは去年から不法入国したウイグル族300人以上が拘束されていていた。

 人権団体は、ウイグル族が言語や宗教などをめぐって中国で迫害されていると批判しており、UNHCR(=国連難民高等弁務官事務所)は9日、「彼らは強制送還を望んでいない。紛れもない国際法違反だ」とタイ政府の対応を批判する声明を出している。

 この問題について、中国外務省の報道官は9日、「重い犯罪に関わる者は法により処罰する」と述べる一方で、「犯罪に関わらない者や軽微な違法者は適切に処置する」と述べ、一定の配慮をする姿勢を強調した。報道官は、「ウイグル族は中国人であり、正常の秩序を守るべき」だとして、周辺国と協力し、取り締まりを強める方針を示している。