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ギリシャ議会“財政再建法案”を可決

2015年7月16日 11:09
ギリシャ議会“財政再建法案”を可決

 ギリシャ議会は16日未明、EU(=ヨーロッパ連合)側から支援を受けるための条件となっている財政再建案の関連法案について、賛成多数で可決した。

 財政危機にひんしているギリシャでは、EU側から支援を受ける条件として増税や年金制度改革などの関連法案を可決するよう求められていたが、未明に及んだ審議で賛成229票、反対64票で可決された。

 これを受けてEU側は、支援の第一弾として3か月で70億ユーロ、約9500億円のつなぎ融資を行う方針で、ギリシャは当面の債務返済のメドが立つことになる。

 結論を受けて、アテネ市民は「この国の問題を乗り越える唯一の方法だ」「(緊縮政策で)すべての家族が苦しむことになる」などと語った。

 審議中、議会の前ではデモ隊と警官隊の衝突も起きた。そもそもチプラス首相は緊縮政策に反対したことで政権を得ており、与党内からも批判の声が上がっている。

 ギリシャはひとまず最悪の事態を回避できるが、巨額の債務を抱える状況には変わりない。国中に不満が広がる中で根本的な解決に向けて歩みを進めていけるかどうか。ギリシャはここからが正念場ともいえる。