台湾で来月から使われる高校の歴史教科書が中国寄りの内容になっているとして、学生らが抗議デモを行った。

　抗議デモは文部科学省にあたる「教育部」の周辺で行われ、数百人が新たな教科書の撤回や教育部長の辞任などを求めた。台湾では高校の学習指導要領が改定され、これに基づく教科書が来月から使われるが、歴史の教科書で中国大陸とのつながりを示す内容が増えるほか、１９４５年までの日本による統治についても日本に対して批判的な記述が増える。

　これに対し、一部の学生が、中国との融和政策を取る馬英九政権が進めたもので納得できないとして反発を強め、先週、学生が教育部の敷地に侵入するなど抗議活動を続けている。台湾では去年、中国とのサービス貿易協定に抗議し学生らが議会を占拠するなど、若い世代を中心に中国政府との接近を警戒する動きがある。