“テロリストの巣窟”に住み、麻薬密売
13日夜、フランス・パリで同時多発テロ事件が発生した。事件の拠点となっていたことがわかったベルギーから若林大介記者が報告する、
犯行に関与した疑いで国際指名手配されたサラ・アブデスラム容疑者(26)が住んでいた、ベルギー・ブリュッセルのアパートの前にいる。地元メディアによると、アブデスラム容疑者は今回の事件に関与していたとされる兄弟2人とともにこのアパートに住み、麻薬の密売を行っていたという。
今回のテロで死亡した実行犯のうち、少なくとも2人はベルギーに住んでいた。さらに犯行に関与した2台の車がベルギーで借りられたこともわかっていて、フランス政府はこれまでに、テロの実行犯はベルギーで組織されたことを明らかにしている。
アパートのあるこのモレンベークという地区は、特にアラブやアフリカなどからの移民が多い場所として地元ではよく知られている。この地区をめぐっては、2004年にスペインで起きた爆弾テロの背後にいたグループがここの出身だったとされるほか、過去にこの地域に関係のある人物によるテロがたびたび起きている。
地元メディアですら、「テロリストの巣窟」「イスラム過激主義者の拠点」と呼んでいる。また、フランスのラジオ局は、このモレンベークからシリアに渡った男(27)が、同時テロを指示したと伝えた。今後、この地区を含めたベルギーでの捜査がさらに本格化するものとみられる。