宣伝放送再開 軍事境界線近くから記者報告
北朝鮮が水爆実験に成功したと主張してから3日目の8日、韓国政府は対抗措置として、北朝鮮に向け、大型の拡声機を使った宣伝放送を始めた。南北の軍事境界線から1.5キロの韓国・金浦からソウル支局・坂口賢二記者が報告する。
今回、韓国政府は宣伝放送の現場をメディアに公開し、音声も収録させるという異例の対応を取った。
宣伝放送「北朝鮮の核実験は、国際社会の平和を脅かす」「北朝鮮は国際社会から孤立し、経済はさらに厳しくなるだろう」
宣伝放送は8日正午、約10か所で始まり、昼夜を問わず不規則的に行われる。放送では北朝鮮の体制批判を流す一方で、経済発展が進んだ韓国の状況や、女性アイドルグループの最新の音楽も流される。
韓国軍関係者は「北朝鮮に心理的な打撃を与えるのは事実だ」と話していて、北朝鮮に対する強い姿勢を国内外にアピールする狙いがあるとみられる。
8日は金正恩第1書記の誕生日で、宣伝放送を北朝鮮側は「最高指導者への冒とく」と取る可能性もあり、激しく反発するものとみられる。軍関係者によると、北朝鮮はすでに軍事境界線付近の兵士を増やしており、韓国軍は警戒を強めている。