韓国が宣伝放送再開、北朝鮮も拡声機で対抗
水爆実験に成功したと主張する北朝鮮に、韓国が対抗措置をとった。韓国政府は8日、去年8月に中止していた北朝鮮むけの宣伝放送を再開した。
宣伝放送は、南北軍事境界線付近で8日正午に再開され、北朝鮮の体制批判や経済発展が進んだ韓国の状況などを伝える内容が流された。韓国軍関係者によると、北朝鮮は、宣伝放送を妨害するため、拡声機による独自の放送を始めたという。
こうした中、北朝鮮の平壌では8日、水爆実験の成功を祝う大会が開かれ、朴奉珠首相が、「我が国の核武力は一層、高い段階に発展した」と成果を誇示した。
その一方で、金己男書記も演説し、韓国の宣伝放送について「戦争の危機を煽(あお)り立てている」と非難した。
一方、韓国の原子力安全委員会は、核実験の内容を分析しているが、大気中から微量の放射性物質が検出されたものの、自然界にもともと存在する量と同程度だったため、現時点では判断できないとしている。
こうした中、韓国の尹炳世外相は8日夜、中国の王毅外相と電話で会談した。尹外相は新たな制裁を含めた国連安保理の決議の採択にむけ、中国側の積極的な協力を求めたが、王毅外相は、対話を通じて北朝鮮の非核化を目指すとの立場を示すにとどまった。