台湾総統が南沙訪問 フィリピンなど反発
台湾の馬英九総統は28日、南シナ海の南沙諸島にある太平島を訪問した。太平島は台湾が実効支配しているが、フィリピンなどが領有権を主張していて、反発が起きている。
台湾総統府によると、28日、太平島を訪れた馬英九総統は談話を発表し、今回の訪問の目的について、旧暦の正月を前にした現地職員への激励であるとした。
南シナ海で最大の島である太平島は台湾が実効支配していて、軍事施設のほか、病院や郵便局などで、100人以上の職員が働いている。
馬総統は談話で改めて、太平島の主権は台湾にあるとしたうえで、領有権を争う各国に対し、「争いを棚上げし、共同で開発すべき」と主張した。
今回の訪問について、太平島の領有権を主張するフィリピンは反対するとの声明を発表したほか、アメリカも訪問を前に「失望した。南シナ海の領有権問題の平和的解決には貢献しない」と不快感を示している。
一方、南沙諸島の別の島で滑走路などの建設をすすめる中国は、台湾は中国の一部だとする主張を前提に、「中国と台湾の両方の中国人は、自分たちの財産を守る責任がある」とし、事実上の支持を表明している。