日本人２人もケガをしたベルギーの同時テロは最初の爆発から丸一日が経過した。

　ロイター通信は地元メディアの情報として、空港の爆発の後、逃走している実行犯の男について、ナジム・ラーシュラウイ容疑者だと伝えている。この男はフランス・パリ同時多発テロ事件に関連して指名手配されていた。

　また、イギリスメディアは、空港で自爆した２人についてもパリ同時多発テロ事件に関連して当局が行方を追っていた兄弟だと報じている。

　警察は逃走しているラーシュラウイ容疑者の行方を追っている。警察は事件直後からブリュッセル市内の複数の箇所で集中的に捜索を行っている。過激派組織「イスラム国」の旗や、爆発物が見つかったという。爆弾処理班の警察車両が出入りするなど物々しい雰囲気の中、窓ガラスの指紋を丁寧に採取するなど徹底的な捜索が行われていた。

　ブリュッセルでは先週、パリ同時多発テロの実行犯サラ・アブデスラム容疑者が逮捕されたばかり。関連の捜索では爆発物や武器が見つかっていて、「新たなテロが起きるのではないか」という危機感が高まる中、再び凄惨（せいさん）なテロが起きてしまった。テロを未然に防げず、ベルギーの捜査当局にとってはメンツをつぶされた形で、容疑者の確保に全力をあげている。