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北朝鮮、今後を占うカギ『並進路線』とは?

2016年5月10日 17:55
北朝鮮、今後を占うカギ『並進路線』とは?

 北朝鮮で36年ぶりに開かれていた朝鮮労働党大会が閉幕した。金正恩第1書記が新たに「党の委員長」に就任し、最終日には指導部の人事も発表された。

 党大会を開催した最大の狙いは「新たな時代の幕開け」を国内外にアピールすることだったとみられる。党大会では金正恩氏が「労働党委員長」のポストに就任した。これは、軍を優先した父親の故・金正日総書記と異なり、党重視の姿勢を鮮明にする狙いがあるものとみられる。

 一方、指導部の人事だが、事前の大方の予想とは違い、大幅な若返りはなかった。経済的、対外的に苦しい状況が続く中、変化よりもバランス、安定感を重視したものとみられる。

 今後を占うカギになるのが、金委員長が党大会で繰り返し述べた『並進路線』という言葉。『並進路線』は金委員長が掲げた核開発と経済発展を同時に進める考え方で、党大会で憲法よりも上位にあたる労働党の規約に新たに盛り込まれたほか、10日のパレードでも『並進路線』の文字が書かれたミサイルの模型が登場した。

 一方で、中国の習近平国家主席は9日夜、「中国は中朝関係を高度に重視している」などとする祝電を送った。こうした国際社会からのアプローチに金委員長がどう応えるのか、次の一手が注目される。