乗客・乗員６６人を乗せ、パリからカイロに向かっていたエジプト航空機が消息を絶ったことをめぐっては、依然として情報が錯綜しており、機体の捜索が続いている。

　エジプト航空機が消息を絶ってから丸一日以上がたつが、公式発表が次々と修正されるなど、情報の混乱が続いている。エジプト航空は１９日、機体の一部が地中海にあるギリシャのカルパトス島近くで見つかったと発表したが、その後ギリシャ航空当局の幹部が「分析の結果、当該機のものではなかった」と否定した。その後、機体が見つかったという情報はない。

　現時点で、テロであったことを示す根拠は見つかっていない。ただエジプトのシナイ半島で去年１０月、ロシア機が墜落し、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。さらにエジプト航空機が出発したパリでは、去年１１月に、同時多発テロがあった。エジプトの民間航空相が「テロの可能性が高い」と発言したほか、複数の欧米メディアがいち早くテロに言及したのは、こうした事件が念頭にあるためとみられる。

　今後は、ブラックボックスを含む機体の発見と原因究明が急がれる。