「根拠ない」仲裁裁判所判決に中国は猛反発
オランダの仲裁裁判所は、南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張には根拠がないと否定した。中国は猛反発している。
判決は、中国が南シナ海ほぼ全域に主権が及ぶとして独自に設定した「九段線」について、「歴史的に権利を有するという根拠はない」と否定した。判決を受け、習近平国家主席はEU(=ヨーロッパ連合)の大統領との会談の際、「南シナ海は古来より中国の領土で、主権および海洋権益はいかなる状況においても判決の影響を受けない」と強調した。
こうした中、中国国営の新華社通信は12日、南沙諸島の岩礁に建設した滑走路2か所で試験飛行を行ったと伝えた。判決が出された日に試験飛行を行うことで、中国に主権があることをアピールする狙いがあるとみられる。
一方で、中国は次の一手を打っている。
王毅外相「南シナ海問題で中国と協議を再開しようとするフィリピン新政府の態度に注目している」
中国政府は「南シナ海で当事国と共同開発を行う」との声明を出していて、国際的な批判をかわすカギはフィリピンとみて外交攻勢をかけるものとみられる。