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トルコ 首都や最大都市で混乱続く

2016年7月16日 11:46
トルコ 首都や最大都市で混乱続く

 トルコで15日、軍の一部勢力がクーデターを図り、「国の全権を掌握した」と主張した。一方、ユルドゥルム首相は「クーデターをほぼ制圧した」と述べたが、首都アンカラや最大都市イスタンブールでは混乱が続いている。

 地元メディアによると、トルコ軍の一部勢力が15日深夜、クーデターを図り、与党・公正発展党の党本部に突入したほか、国営テレビを通じて、「国の全権を掌握した」と声明を発表した。

 首都アンカラや最大都市イスタンブールには銃声が響き渡り、戦闘機が出動して戦闘が発生するなど混沌とした状況となった。

 イスタンブール在住の日本人「突然ものすごく大きな爆音が連続して 『ババババン』と聞こえた。数秒後にジェット機なのかもしれない低空飛行と思われる飛行音が鳴った」

 一方、ロイター通信によると、ユルドゥルム首相は「クーデターをほぼ制圧した」と明らかにした。休暇中のエルドアン大統領は、急きょトルコ南西部の都市からイスタンブール入りし、クーデターを厳しく非難した。

 エルドアン大統領「軍隊が兵力を持って残念ながら国家統一を乱す行為を行った。今回のこの動きは(国民に対しての)裏切り行為である」

 イスタンブールではクーデターに抗議する大勢の市民が軍の車両を取り囲み、罵声を浴びせる様子も見られたほか、クーデターに参加していた軍の兵士が、武装警察に拘束されたとされる映像も公開された。しかし、トルコの民放テレビ局「CNNトルコ」では、兵士が局内に乱入して放送を中断しているほか、国会で爆弾が爆発したという情報もあり、引き続き予断を許さない状況が続いている。

 トルコでは、エルドアン大統領が実権を握る政権側が、イスラム色を強く打ち出していて、世俗派の代表を自認する軍と長く対立してきた。また軍の人事にも干渉するエルドアン大統領の強権的な政治手法に軍の一部が反発を強めていた。

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