アメリカ大統領選に向けた共和党大会は、２日目に代議員による投票が行われ、不動産王のトランプ氏が大統領候補に正式に指名され、感謝の言葉を伝えた。

　大統領選への正式な切符をようやく手にしたトランプ氏。会場に向けて喜びを伝えたが、これまで以上に落ちついて、「大統領らしい風格」を意識していた印象だった。

　初日は、トランプ氏に反発する一部の代議員が退席する波乱もあったが、日本時間２０日朝に行われた投票では目立った混乱はなく、州ごとに集計を発表、トランプ氏が代議員の過半数を獲得した。

　トランプ氏が正式に大統領候補に、ペンス・インディアナ州知事が副大統領候補に指名され、ライアン下院議長が「トランプ氏とペンス氏は、大統領、副大統領候補に正式に指名されました」と宣言すると、会場からは歓声があがった。

　トランプ氏は地元ニューヨークから映像をつなぎ、感謝の言葉を伝えた。

　トランプ氏「正式な指名を獲得したこの日を、私は二度と二度と忘れません。雇用を取り戻し、軍を再建し、退役軍人を助け、強い国境を作る。『イスラム国』を排除し、法秩序を回復する」

　しかし、有力紙・ニューヨークタイムズは、独自に分析した結果、現時点で民主党のクリントン氏が７６％の確率で勝利するとの、トランプ氏には手厳しい評価をくだしている。

　また、クリントン氏も早速、「トランプ氏を大統領にしないよう、力を合わせましょう」と支持者に呼びかけた。

　トランプ氏は２１日の最終日、党大会を締めくくる重要な演説を行う。ここで、クリントン氏に勝てる候補という印象を打ち出せるのか、トランプ氏にとって、今後の選挙戦を占う最大の見せ場となる。