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世界反ドーピング機構 IOCの決定を批判

2016年7月25日 14:27

 国家ぐるみのドーピングを巡りリオオリンピックへの出場が危ぶまれていたロシアについて、IOC(=国際オリンピック委員会)がロシア選手を全面的には排除しないと決定した。ロシア側はこれを評価するとしている。

 IOCは24日、理事会でロシアへの対応を話し合い、リオオリンピックからロシア選手を全面的には排除しないことを決めた。その一方で、それぞれの選手にドーピングに関する厳しい条件をつけ、これをクリアした場合にのみ、出場を認めるとしている。

 バッハ会長「ロシアの選手は非常に厳しい条件をクリアしなければ出場することができない」

 選手が出場できるかどうかは各競技の国際連盟が条件を踏まえて判断するとしている。開幕まで10日あまりとなり、それぞれの選手について条件を満たしているかいないかの判断が急がれることになる。

 一方、リオオリンピックにロシア選手を参加させないよう勧告していたWADA(=世界反ドーピング機構)は24日、声明を発表し、「勧告に反する決定に失望した」とIOCの決定を批判している。

 さらにドーピング問題を告発した女子陸上800メートルのステパノワ選手の出場が認められなかったことについて、「これから、同じような告発を選手がしづらくなる」として懸念を表明している。

 また、アメリカの反ドーピング機構も、「オリンピックの高潔さを示す最も重要な時に、IOCはリーダーシップをとることを拒んだ」と批判する声明を発表した。